ボーイズロード ―first season―
そもそも梅木とは、話をする以前に避けられている気がする。

今までは教室で顔を合わせたら、雑談こそ滅多にないものの挨拶くらいは交わしていた。二学期が始まった途端にそれがぱったりとなくなってしまった。


避けられていることも最初は俺の思い込みなのかと思っていた。でもそんな思いに反して決定的だったのが、あいつと廊下で偶然すれ違った時だ。

梅木は明らかに、俺のことを大きくよけながらすれ違っていったんだ。


それがわかった時はさすがにショックだった。勢いとはいえ、下手に気持ちなんて伝えないほうがよかったのか。


もう俺の方からはどうすることもできないし、きっと梅木とはこれっきりになるんだろうなとも考えた。

残念とは思うけど、それならそれで仕方がない。あいつが考えて出した結論ならば。

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