ボーイズロード ―first season―
不安そうに俺を見上げる梅木。

……不安そう?いや、俺のことを怖がっているようにしか見えない。

俺、こいつを傷つけるようなことしたか?むしろ傷ついてるのはこっちの方だ。告白した途端にシカトされてんだから。


「お前、俺のこと避けてるべ」

「いや、うん。そうじゃない」


どっちつかずな返事に苛立ちまで覚える。


「……それ何なの。俺がお前に告ったからか?」

うつむいて、なお俺から目を逸らそうとする梅木に、俺はかがんで視線を合わせる。

あいつの目を真っすぐ見た途端に、梅木はきゅっと目をつぶる。まぶたが震えているようだった。

その顔を見てしまうと、花火の日以来、胸の奥にしまってあった感情が、内側から突き上げそうになる。


「うそだろ、梅木。顔赤い……」


言った瞬間、梅木は俺に背中を向けた。小刻みにその背中も震えていて、俺の心臓の音も高くなっていく。

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