ボーイズロード ―first season―
「もうずっと頭の中ぐちゃぐちゃしてる。

今までこんなことなかったのに、賢太くんの顔見たらなぜか言葉が詰まって……」


言葉までが震えていて、今にも消えてしまいそうだ。


「賢太くんのこと意識しすぎちゃって、なんかだめなんだよね。

ちゃんと気持ちに向き合おうって思うのに、まともに考えることできなくて」


「……そんなのお前、俺のこと好きになってるからじゃないの?」

うぬぼれとも違う確信。やばいくらいに心臓の音が大きい。


「あのさ、こっち見ろよ。俺だってお前のことになるとセーブ効かなくなるんだ。

元々動いてない頭なのに、完全に止まりそうになんだよ。

今だって話している声よりも、心臓の音のほうがでかいくらいなんだぞ。


……お前はどうなんだよ。俺と一緒じゃないの?」

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