ボーイズロード ―first season―
残っている洗い物を片付けて、生ごみをまとめた。

そしてごみを外の物置に持っていったそのタイミングだった。


「あれ、ニーナ。今日休みなの?」

「そうなんだよね。おばさんいなくて」


部活帰りの茜が一人で来店していた。こいつがここに来るのはずいぶん久しぶり。


「そっか、残念」

「なあ、お腹空いてるなら俺の弁当でも食べる?学祭の準備でクラスの奴らと食べようと思って、多めに作ったんだけど」


あ、何言ってんだ俺。普通に考えて引くよな、これは。


「……いや、よかったらなんだけどさ。唐揚げとか男向けメニューばっかだし」


自分をフォローするように、慌てて言葉を付け足した。茜の顔色を伺うと、少し考えているようだった。


「うん、いいね。頂こっかな」

よかった。断られたら普通にショックだった。

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