ボーイズロード ―first season―
「だけど茜を好きになったこと、同じ高校に入ったこと、気持ちを伝えたこと、どれも後悔はしていないから」


振られたことが俺の人生の中で、一つの区切りとなった。

もちろん茜のことは引きずっていたし、今でもまだ少し気持ちが残っているんだと思う。


それなのに今こうして話すことができている。ついこないだまでだったら、考えられないんだ。

できないことができるようになった。それは成長って考えてもいいよな。


「そういえば、ニーナのアドレスってまだ知らないよね」


茜の携帯には、俺が前にあげたストラップが揺れていた。

友情のしるしって俺が言って、茜に渡したストラップ。付けてくれていたのが嬉しい。


茜とここから新たな関係を作っていく。それは間違いなく、俺らにとってかけがえのないものになるはずなんだ。

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