ボーイズロード ―first season―
✽38章 ガールフレンド
「ねえ、梅木さんってどこの中学?」

入学式の日に思い切って声を掛けた。

出席番号で並ぶと女子の中では最初だった私は、廊下側の一番前の席。後ろにいたのが彼女だったんだ。


第一印象はのんびりしてそうな子。だけど優しそうにも見える。


「東中だよ。石川さんは?」

「緑中。晴菜でいいよ」


高校に入ってから初めてできた友達。絶対に大切にしないと。

絶対だなんて、友達くらいでそこまで思うのは、中学時代に女友達が少なかったことが原因。


休み時間のたびに訪れる孤独はとても苦痛だった。ただ時計を見つめながら歯を食いしばり、授業が始まるのを待つ日々。

もう二度とあんなふうに毎日を過ごしたくないんだ。

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