ボーイズロード ―first season―
夏休みも部活で学校には通っていた。

教室に行かないのなら学校も楽しかった。部活の友達とは普通に話すことができる。

だから余計なことを考えないでよかったんだ。このまま2学期が来なければいい。


そんな夏休みの中、ある雨の日に、帰りの駅で賢太くんに会ったんだ。

私はあおちゃんや若ちゃんに話せなかったことを話してみた。人間関係で悩んでいるということ。


別に本気のアドバイスなんて期待しない。

本当に私はどこまでもずるくて、悩みを打ち明けることで賢太くんに心配してもらいたかっただけだった。


「迷惑かけてるからさ、あの2人に。

私、2人から離れたほうがいいのかなって最近思うんだよね」


だからちょっとだけ誇張もした。離れることなんて本当はできないのに。

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