ボーイズロード ―first season―
その夜は久しぶりに家族会議が行われた。

「部活なんて今まで興味なかったでしょ。

青原だって目指せるのに、なぜ上を目指そうとしないの?

お母さん、琢哉には頑張ってほしいし、妥協とかもしないでほしいの。

高校の三年間で人生が変わることだってあるのよ。その三年間を無駄にしないで」


高校の三年間で人生が変わる。俺だってそれを期待して光陽に行くんだ。


「無駄ってなに?

いい高校行って、いい大学行って、いい企業に入ることがそんなに大事なの?

いくら出身大学がいいところの社員だって、仕事ができることとは別だって、父さん言ってたよね?」


父さんは地元の信金の人事部長だ。

俺は昔から父さんの話が好きだったんだ。よく晩酌をしているところにコーラで付き合っていた。

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