ボーイズロード ―first season―
「けどてっきり若は石川と付き合うって思ってたんだけどな。最初は仲良かったし」

「ていうか若、こないだ3組の子に告られたってまじ?」


「なんで琢ちゃんそんなこと知ってんの」

「ばーか、そんなのクラスの皆が知ってるぞ」


あれから席替えで石川と離れてからは、挨拶以上の会話はなくなった。

あおちゃんとも仲がいいままだから、きっと石川は自分の気持ちを抑えたんだろうな。


俺は生徒会副会長になった。松浦先輩に生徒会に誘われた時は、書紀って話だったのに、なぜか副会長になっていたんだ。

忙しいわけではなかったけど、生徒会の活動をすることで石川への気持ちは徐々に薄れていった。


前みたいに好きな気持ちはもうない。


「その子のこと断ったの?彼女ほしいっていってたじゃん」

「でも誰でもいいわけじゃないし」

「試しに付き合ってみりゃよかったんじゃない?」


みんなには話していないけど、その3組の子とは別に、俺は昨日もう一人から告白されていた。


それは石川だったんだ。あの涙を見た日から半年近く経っていた。

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