ボーイズロード ―first season―
お腹は空いていないから二人ともカフェラテを頼む。石川はコートを脱いだがマフラーは巻いたままだ。


「こうして話すの久々だよね」

最初に口を開いたのは俺のほう。

髪、少し伸びたよな。ショートカットだった石川の髪は肩につくくらい。


「あのさ、話ってなに?」

「若ちゃんのこと困らせたいわけじゃないから、間違えないでほしいんだけど」

「うん」


「……私、若ちゃんが好き」

「えっ?」


正直この時の自分の事はあまり覚えていない。石川は笑いながら言った。


「だから困らせたいわけじゃないの。若ちゃんがもう私のこと見ていないのも、ちゃんとわかってるから」

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