ボーイズロード ―first season―
昼休みが終わり、5時間目は退屈な世界史。

食後ということもあって、眠気が最高潮に達していた。外は天気が良くて、ぽかぽかした日差しが窓から入る。またそれが気持ちいい。


机にうつ伏せると、石川の背中がすぐ目の前にあった。

ふわふわと甘い匂いがする。なんだろう、シャンプーなのかな。すっごくいい匂いがする。


『友達って思ってるのは若だけかもよ』


いやいや、そんなわけないし。体育の時間に目が合ったのだって気のせいかもしれない。

けど今日はニーナのせいで、授業になんか集中できない。

後で琢ちゃんにノート見せてもらおう。


あ、ふきのとう。もう春だなぁ。


まどろみながらそんなことを考える。

頭に当たるぽかぽかした日差しと、子守唄のような授業。

そしてふわふわした石川の匂い。


俺は目をつぶり、心地よい夢の中へと入っていった。

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