ボーイズロード ―first season―
おいおい、これは俺もついてかないとだめなのか?

ほっておく空気でもないし、とりあえずはニーナを追って歩く。まったく、勘弁しろよ。


ていうかそもそも俺はバスに乗るわけじゃないし、ニーナの向かっている方向も俺の家の方だ。


「賢太くんさー、高校生活満喫してんの」

「何だよ急に」

「若なんて毎日楽しそうだしさ、琢ちゃんだって部活頑張ってんじゃん」


確かにあの二人は、アホみたいに毎日楽しそうに過ごしている。

それはそれで別にいいと思っているし、だからといってどうだっていうんだ。


「賢太くんって、何で光陽うけたの?」

「別に。家から近いし」


「俺はね、元々光陽は成績が足りなくて、受験がんばったんだわ。

苦労を乗り越えたことで、俺も大人になれる気がしたんだけどなー。

俺、いつまでたっても子供みたいだよね」


まったくもってその通りだ。なんだ、自分でちゃんとわかってんじゃねーか。

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