ボーイズロード ―first season―
今の俺の一言はニーナにとって、よかったのかは正直わからない。

そもそも俺は、恋愛とか女の話はどっちかというと苦手なんだ。


だけどこいつは、そんな俺よりも不器用なのかもしれないな。不器用っていうか、ただアホなだけかもしれないけど。


「さ、帰ろっか。賢太くんち近くていいな」

「次のバスまで待つのか?」


「いや、歩いて帰る。次のバスにあの子乗るだろうから」

「そっか、気をつけて帰れよ」


恋愛してるだけニーナも十分、高校生活を満喫してんじゃねえのか。

それだけは少しだけだが、羨ましい気持ちもある。


俺はこの三年間で恋愛に限らずとも、何か夢中になれる事を見つけることができるのだろうか。


ま、どーでもいっか。特に今のままでも不満はないからな。

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