ボーイズロード ―first season―
授業では、先週の数学の小テストが返ってきた。

「え、若ちゃん、92点なの?」

ちらっと石川の点数が見えたが65点だった。

俺は元々数学が得意で、このテストも手応えはあったんだよね。それでも琢ちゃんにはかなわないんだけど。

あの人の場合、脳味噌の造りが普通じゃないからさ。


「うん、まあね。数学はちょっと得意なんだ」

「へー、すごいね。やっぱ数学できると男の子って感じするよね」


それは反則ですよ、石川さん。

ほめられるとすぐ照れてしまうんだよね。それが例え、社交辞令であってもさ。男子なんて単純なんだから。


とか思っているうちに、顔の温度がぐんぐん上がってくのが自分でもわかるから、すっげー恥ずかしくなってくる。


やばいって。俺、今絶対赤くなってる。

恥ずかしくて手で口を覆うけど、顔が赤くなっているのは隠しきれてないんだろうな。

早く石川、前向いてくんないかな。


「若ちゃんの字、初めて見た。大人みたいな字書くんだね」

「そんなことないってば。あーもー、そんな褒められたらめっちゃ照れるんだけど」

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