ボーイズロード ―first season―
多分ずっとそんなこと考えながら歩いてた。

意外と1時間の長さも考え事してりゃ、あっという間に時間は経ってしまうんだよな。


脇の車道をバスが通る。

いつの間にか次のバスは、歩きの俺に追いついていたみたいだ。

ぼーっとそれを眺めていたら、バスはその先の停留所に停まった。


そうだ、ここは茜が利用しているバス停だ。

やっぱりそのバスには茜が乗っていて、降りた瞬間に俺に気づいた様子だ。

だけど目を合わせずにこっちに向かって歩いてくる。

そして、黙ったまま俺とすれ違っていった。


「おい、無視すんなよ、ブス」

「うるさいな、別に用事なんてないし」

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