rain
「あの…! 雅紀さん」
「貴子ちゃんって体細いね~!」
とりあえず、暁くんが来るまでの時間稼ぎで貴子ちゃんが逃げないように抱きしめているけど
これ、どう見てもオレって変質者だよね?
「私… 帰りますから! 離して下さい!!」
「ダメだよ~ ね、もぅちょっとこのまま! お願い!」
「は、離して下さい…!!」
って言うか、暁くんまだ?!
俺、変質者扱い確定じゃね?!
たまたまこの道、通っただけなのにっ!
暁くーーーんっ!
「悪りぃ、雅紀! 遅くなった!」
「マジで遅いよ! 俺、変質者扱いだからねっ! 後で飯おごれよ!」
焦って超早口の俺に
暁くんは超笑顔で
「おごる! なんでも言って、マジで!」
そう言うと、片手を上げて貴子ちゃんを連れていってしまった
「ったく、世話がやける二人だよ」
ま、そんな二人がね、俺は好きなんだけどね?
暁くんにはナイショ!
照れるから!