rain
「悪りぃ! 雅紀、サンキュ!」
雅紀くんに抱きしめられてる私の手を、暁が強く引っ張って歩きだした
「痛い…、 暁!」
「………」
私の言葉なんて無視してどんどん歩いていく
「あ… 暁!」
気がつけば、雅紀くんといた橋沿いにある遊歩道を歩いていて
晴れた日は家族連れやカップルが多い遊歩道
今日は雨だからほとんど人がいなかった
「暁… 腕が痛いよ!」
掴まれていた手を振り払うと暁の足が止まって
と、同時に私の方に振り向いた
「別れないから」
「………え?」
「俺は別れない!」
真剣な暁の目に私は言葉を失った