rain
川に落ちた婚約指輪
給料、3ヶ月分だって…
「ぷっ…」
慌て叫んだ暁に、私は思わず吹き出してしまった
「笑う所じゃねぇぞ…?」
半ギレ状態の暁に
「ごめ… あはは!!」
だって、叫ぶ暁が可愛いくて面白くて、やっぱり大好きで
「……………、」
「あのさぁ… 笑うか泣くかどっちかにしろよ」
そう言って暁は私の頭にポンと手のひらを乗せた
「だって…、 ヒック…」
「今日は泣いたり笑ったり怒ったり忙しい日だな…、ったく…」
「ぷっ…」
「また笑うのか?」
呆れボヤく暁の姿が可笑しくて、変わりない優しさに嬉しくて
「…………、」
「…飽きねぇやつ」
そう言って暁は頭に乗せてた手をスルッと背中に回して
ギュッと抱きしめた
「結婚、するぞ」
そう私の耳元で囁いて、プロポーズしてくれた
あんなに降っていた雨はすっかりやんでいて
空は夕焼けで真っ赤に染まっていた