rain
パンッと、暁が持っていた傘を開ける
「え? 雨もうやんだよ?」
「いいんだよ」
そう言って暁が私の手を握る
私の目をじぃっと見つめて
「おい、返事!」
「え?」
「プロポーズの返事だよ!」
照れてる暁がめちゃくちゃ可愛い…!
「…………」
「ど、どうなんだよ?」
手を握る暁の手の力が強くなる
この守ってくれる大きな温かい手と
照れ隠しでついキツく言ってしまう俺様な性格と優しい心と
どんな時も私の事を一番に思ってくれる深い愛情に
答えはもう決まっているよ
「よろしくてよ?」
「…はぁ?」
たまには私も上から目線で偉そうにってね!
だけど、思ってもなかった私の返事にびっくりする暁
そんな暁に私は………
チュ!
唇に触れるくらいのキスを落とした
「俺が傘開いた意味ねぇじゃん…」
「…え?」
「アホ、俺がそうしたかったんだよ!」
手にした開いた傘を二人の上半身まで倒し
人に見られないように暁は身を屈めると
「離さないからな、覚悟しとけ…」
近寄る暁の綺麗な顔に、私はそっと目を閉じる
触れるだけのキスからだんだんと啄むようなキスに変わる
傘に隠れて私たちは甘い甘いキスを繰り返した
「ねぇ… ところで指輪どうするの?」
「怒られるの覚悟でまたミナミに頼むか」
-END-
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