rain
ブーンと、マナーモードにしている携帯が鳴った
それは、貴子からのメールで
“マンションの前に着いた”
たったこれだけの文字
普段なら絵文字があって会話のような文章なのに
さっきの電話も用件だけ
いつもは何にもなくても電話かけてくるのに
なんか… おかしい
「ごめん、ちょっとでかけてくるわ」
「外、雨が降ってるから気をつけてね」
「おお、すぐ戻るから」
リビングにいる彼女にごめんと手で合図して玄関に向かう
今日は少し肌寒い
携帯と上着を持って俺は部屋をでた
「貴子のやつ、なんかあったのか?」
さほど気にせず、俺はエレベーターにのり下に降りていった