無。
私には家族も恋人もいます。
数は少ないけど友達も。
大切なものはあるんです。

だけど何故だろう。
得体の知れないものが心の中から消えない。

時々その「何か」が私の心を覆い尽くします。

[全部全部嘘にきまってるだろ。]
[お前は何も大切にできない人間だ。]

声でも文字でもなく、「何か」がそう私に投げ掛けてくる。

その得体の知れない「何か」に安堵感を覚える自分がいる。

この「何か」が私を一番わかってくれているような気がして、
私を一番守ってくれているような気がして。

そんな自分もたまらなく嫌いだ。
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