無。
学校にも行かなくなった。

信用できる仲のいい友達なんて、いなかった。
信用して心を開いても埋められるものなんてなかった。

元々他人からは好かれない人間だったから、
仕方ないと思ってはいたし、
さみしいとも思っていた。


決められた席について、
生きるのに役に立つかもわからない数式だらけの黒板を眺めて、
解けた解けないと足掻いてる。

それがなにかに取りつかれてるようで
気持ち悪くなった。
それをこの先数年続けなきゃいけないと思うと
面倒になった。

部活も大好きだったけど、
「みんな本当は私のこと好きじゃないし、認めてない」ってことに気づいた。

初めて出来た「仲間」だと思っていたけど、
そうでもなかったと思うようにした。

目を、耳を、塞いだ―
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