フレッシュ! 学園のアイドル!
 校舎を出て中庭へ来た時、芽琉香は思わず近くのベンチを足蹴りした。

「あーもう! 悔しい!」

 芽琉香の心はますます、穏やかではないみたい。
 落ち込んでしまっている芽琉香を私は励ました。

「北澤さんの言った事は気にしない方がイイよ」
「…」
「アイツは口悪いし、自己チューだからよ。無視した方が無難だぜ」

 佐々木も励ましてくれる。
 北澤さんが芽琉香をバカにした事で怒りをあらわにした佐々木だけど、今は落ち着いて穏やかな表情に戻っている。

 芽琉香の方は頭が混乱しているようだ。
 ステージでのアクシデントを指摘されたから、どうしようか迷うのだ。

「私って情けないなー! 失敗するし、変に悪い所をしてきされちゃうし!」
「自分を責めたり、卑下しちゃダメだよ」

 美穂は芽琉香の悪いクセを戒めるように言葉を掛ける。

「自信なくしちゃった」

 情けない事を言って。
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