フレッシュ! 学園のアイドル!
「尾山先輩って、人をホメたりした事がないんでしょう? そんな誉め言葉で出るなんて珍しいですよねぇ? 何だか雨が降っちゃいそう」

 バカにされたと尾山先輩は思ったけれど、カッとする事もなくクールな感じで言い返す。

「私だってね、精一杯頑張っている人はちゃんと評価しているのよ」
「ふーん、先輩がねー」

 北澤さんったら、尾山先輩を冷めた目で見ているようだ。
 尾山先輩は更に言う。

「北澤さんみたいに、自分ばかり誉めている心の狭い人間じゃないしねー」

 今の言葉に北澤さんはカチンと来た?

「私が、そんな心の狭い女のコに見えますか?」
「見える。他人の欠点ばかり見て、自分の欠点を見ようとしない」
「私は」
「自分は完璧な女のコだ。自分には欠点はない…なんて言うセリフは聞きたくないから」
「…」

 北澤さんは何も言わなくなった。

「たまには自分を、冷静に見たら?」と言って尾山先輩はどこかへ行った。
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