フレッシュ! 学園のアイドル!
 少し離れた場所から北澤さんが芽琉香のファンサービスの様子を見ている。

「私の輝いていた不動のポジションが、今や木之元芽琉香に取って代わられちゃったなー」

 少しガッカリした様子の北澤さん。

「悔しい?」と誰かが声を掛けて来た。

 自分の方へ歩み寄って来る女のコが視線に入っても北澤さんは何も言わない。
 一年生の頃は同じクラスメートで、ずっと見下していた園田絢香を今では同じ目線で見るようになったのだ。
 絢香は今では北澤さんを見ても緊張する事も動じる事もなく、堂々とした態度で振舞うようになった。

「私がずーっと、この学園のアイドルに君臨すると思っていたけど…まさか、こんな事になるなんて」
「悔しいんだー?」とクールな眼差しで相手の反応を確かめる絢香。
「ん、まぁ」
「妬みっこ無しだよ。芽琉香は芽琉香なりに一生懸命、頑張って来たって静香は言っていたからねー」
「へぇー、そーなんだー」

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