フレッシュ! 学園のアイドル!
「美穂は、アンタの事を心配してあげているんだけど」
「私が琉瑠奈に勝てないって言うの!? 冗談じゃない!」と興奮する琉香。

 場が凍りついてしまった。

「そんなに剥きにならなくても!」

 間を置いて芽琉香は返事した。

「ゴメン…」

 美穂は背中を軽くポンポンと叩いて芽琉香の気を落ち着かせて、穏やかな口調で話しかけた。

「芽琉香は芽琉香なり、自分でもっと練習すればイイから。あまり琉瑠奈の事を意識しない方がイイと思う」


 すると、芽琉香はこう切り出した。

「決めたよ」
「決めた?」
「たった今、決めたの」
「何を?」
「曲を変えるから」
「曲を変える?」
「マジで?」
「マジで」
「マジで変えるんだね」
「アニメの曲じゃ、あの人には勝てないから別のヤツにする」
「どんな曲にするつもり?」と美穂。
「まだ決めていない」
「何を歌いたいと思っている?」

 芽琉香は少し考えてから答えた。
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