フレッシュ! 学園のアイドル!
 芽琉香と佐々木の沈黙は続いた。
 切り出したのは佐々木の方からだった。

「怒るなよ。この通り、謝るよ」

 頭を下げた佐々木。
 本当に覗いていたワケじゃないのだから謝る必要はないのだ。
 でもこのままじゃあ場が治らないから、自分から折れるしかないと判断した。

「許して上げるけどね」と言って芽琉香はニッコリと微笑んだ。

 佐々木と付き合っているから、心底から怒っているのではないのだ。

 歌や踊りの練習をしていた芽琉香だけど、佐々木が顔を見せたから小休止する事にした。
 佐々木はバックに入れていたボトル缶コーヒーを芽琉香に差し出した。

「飲むか?」

 いきなりボトル缶コーヒーを顔に突きつけられて、芽琉香はキョトンとなる。

「なーにコレ? 剛志が飲むんじゃないの?」
「大丈夫、余計に買っているから。せっかくだから、お前に1本あげる」と言って、佐々木は缶を芽琉香に手渡した。
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