HEAD/phones~ヘッド・フォン~
「ねぇ…陽ちゃん、知ってる?」

健太郎は含み笑いをしながら言う。

「…なんですか?」

陽助はノブオに説教され、少し落ち込んだ様子で力なく答える。

「明日から…夏休み!」

「え?…えええええっ!?」

陽助は本当に驚いたようだった。

「お前、知らなかったのか?」

ノブオは呆れた顔で陽助を見る。

「ええ…知らなかったぁ」

陽助はまだ驚いた顔で固まっている。

「でも、お前は毎日が休みみたいなもんだから、そんなに驚く事でもないだろ」

そのノブオの言葉に陽助の顔は再び下を向きかけた。

「というわけで、来週キャンプだから」

ノブオはあっけらかんと言った。

「ええっ??ほんとですか!?」

陽助の顔はアニメのように素早く表情が入れ替わった。いや、陽助だけではない。

「え!?キャンプ??」

今度は健太郎も一緒になって驚いていた。そんな様子を見て面白そうにノブオは言う。

「行きたくないのか?」

「行きたくなくはないけど」と健太郎。

「陽助は?」

「行きたいですね」

「よしっ、決まりだな!」

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