HEAD/phones~ヘッド・フォン~
健太郎と陽助が車に乗り込むと、車は来た道をバックで戻った。少し乱暴な運転に健太郎は恐々後ろを見ていたが、運転は案外上手いらしい。慣れたハンドルさばきで、一体いつからこんな狭い道に入り込んでいたのだろうと思う程延々と逆送していると、別れ道がようやく見えてきた。
「よっしゃ!」
ノブオはスピードを緩めた。そして、分岐点まで戻った所で、今度はもう一方の道へと車を走らせた。もっと広い道まで戻った方がいいと健太郎は言ったのだが、根拠のないノブオの自信に押しきられてしまった。
こちらもさっきの道と同じような砂利道だけれども、幅は比較的広いようだった。
「ほら、いい感じになってきただろ?俺の言う通りで正解だったな」
ノブオは自慢気な顔をしているが、健太郎はまだ不安だった。
「道は合ってるのかな?」
しばらく進んでから健太郎は何気に聞いてみた。
「知らない」
そのノブオの返事に健太郎は言葉を失った。
「知らないって…ノブオ…地図は?」
禁断の質問のごとく、強張った面持ちで聞いてみると、
「そんなもん、ない」
「よっしゃ!」
ノブオはスピードを緩めた。そして、分岐点まで戻った所で、今度はもう一方の道へと車を走らせた。もっと広い道まで戻った方がいいと健太郎は言ったのだが、根拠のないノブオの自信に押しきられてしまった。
こちらもさっきの道と同じような砂利道だけれども、幅は比較的広いようだった。
「ほら、いい感じになってきただろ?俺の言う通りで正解だったな」
ノブオは自慢気な顔をしているが、健太郎はまだ不安だった。
「道は合ってるのかな?」
しばらく進んでから健太郎は何気に聞いてみた。
「知らない」
そのノブオの返事に健太郎は言葉を失った。
「知らないって…ノブオ…地図は?」
禁断の質問のごとく、強張った面持ちで聞いてみると、
「そんなもん、ない」