HEAD/phones~ヘッド・フォン~

---お前は悪魔だ…俺は…ずっと騙されていたんだな…

---違う!信じて…私は…ただ寂しかっただけなの…

---どうせ俺も殺す気だったんだろ?

---違う…違うわ!

---…お前をここから出すわけにはいかない…

---お願い…それを私に返して…

---来るな!来るんじゃない!!


陽助は優からヘッドフォンを奪い取った。そして、健太郎達の元へと逃げるようにして走って行った。残された優の頭にはまだ声が響いていた。それとともに耳の奥に何かが入り込んだような不快さが残っていた。

「…なんだったんだ?今のは…」

優はしばらくその場から動く事が出来なかった。

< 44 / 113 >

この作品をシェア

pagetop