HEAD/phones~ヘッド・フォン~

「う、うわっ!!」

健太郎はそのあまりの眩しさに驚き目が眩んだが、目を凝らして光の正体を探ろうとする。すると、

「健太郎か?」

光の方から声がした。それも聞き覚えのある声だった。

「だ…誰だ?!」

「俺だよ」

光とともに声が近づいて来る。

「その声は……優?!」

健太郎がまだその正体に確信を持てずにいると、光の中から人影が現れた。

「よう!」

それは懐中電灯を持った優の姿だった。

「無事だったのか!」

「なんだよそれ」

「いや、てっきり…」

「勝手な想像はやめてくれ」

「でもびっくりした。いきなり現れるから」

「それはこっちも同じだ。陽助も一緒か?」

「あ、はい」

「そうだ!ノブオは??」
「さぁ」

「一緒じゃなかったのか?」

「お前達と一緒にいると思ってたんだが…違うみたいだな」

「どこに行ったんだ?ノブオは…」

「それこそ『てっきり』じゃないのか?」

「えええっ?!」

「冗談だ」

「あいつは悪運強いからな」

「そうだな」

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