HEAD/phones~ヘッド・フォン~
第1章
 真っ青な空からは容赦ない陽の光が燦々と降り注ぎ、日本を褐色へと変えていた。七月も終わり、僕達が住む町は九州の北東に位置していたのだが、沖縄よりも高い気温の日が毎日のように続いていた。しかし、山と海から吹きつける風が町全体に涼を運んでくれていた為、体感温度はそれほど高くもなかった。つまりは、適度だという事だ。
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