HEAD/phones~ヘッド・フォン~
ノブオは宇宙を漂っていた。むき出しの荒々しい惑星が目の前を通っていく。
不思議と呼吸は落ち着いていたが、周りに広がる光景が信じられず内心はうろたえていた。それにさっきまでの記憶がない。全く思い出せない。
---俺は、どうしてこんな所にいるんだ?どうやってここへ…?
次第に不安な気持ちは大きくなり、広大な宇宙の中に出口を探そうとした。すると、ノブオの左方向に知っている惑星が現れた。
---綺麗だ…。
他のものとは比べ物にならない程の美しさに、ノブオは見とれていた。
「あれが何か分かる?」
どこからともなく聞こえてくるその声は、ノブオの耳に優しく響いて心が少し安らいだ。
『あれは…』
あれは…そう、何度か目にした事がある生ける星。そして…俺が生きている星。
『地球』
ノブオはそう口に出した。
「そうよ、あれは地球」
『俺は…あそこに、いる…?』
ノブオは地球に手を伸ばそうとした。その時、またもや目の前をまたもや巨大な岩が通過していった。ノブオはその岩を目で追う。それはノブオから次第に遠ざかり小さくなっていく。そして、ノブオは岩のいく先を見た。そこには…