HEAD/phones~ヘッド・フォン~
「あなたを生き返らせてあげる」
女は唐突に言った。
「なんだって??」
「復活させてあげるわ」
「…復活」
「そうよ」
女は笑顔を見せる。
「…そんな事…出来るのか?」
「ええ」
「でも俺は…」
ノブオは考えた。今の俺は本当の俺じゃない。彼女の創った世界に生かされているに過ぎない、そういう事なのか?今いる地球は彼女が創ったものなのか?そんな事が……
「…出来るのか?」
ノブオはもう一度聞いた。
「ええ、可能よ。でもね…それには必要なものがあるの」
「何だ?」
「ヘッドフォン」
「ヘッドフォン?」
「そうよ」
「どうしてそんなものが??」
「私が創った世界と私がいる世界、この二つを行き来出来る方法が、ヘッドフォンにあるの」
女の顔は無表情だった。
「これじゃダメなのか?」
ノブオは手に持っているヘッドフォンを見た。
「それはあくまで真実を伝えるだけのもの」
「どこにあるんだ?」
「そう焦らないで。まだ続きがあるの」
そう言うと、女は窓のカーテンを閉めた。