華麗なる人生に暗雲があったりなかったり
からまわり
とりあえず、冬のはじまりに鍋会を五人でした。
仁の実験台として、今度は広也がエントリーされた。
せっかくだから、俺もエントリーした。
実験台でも、うまい飯が食べられるに越したことはない。
しかし実際のところ、広也が好きな料理を作ったらしい。
俺は仁の実験台で、広也には好物を作る。
世の中は理不尽なことばかりと黄昏た。
そして、鍋会と同じ頃。
合コンの誘いの電話がかかってきた。
高校生時代、クリスマスイブとクリスマスは悪友たちに合コンまがいなところに毎年借り出されていた。
飯代はそいつらが出してくれるということで毎年行った。
何件も。
タダでおいしいものが食べられるからだ。
大学に入っても、それは変わらずらしい。
同じくこっちの大学に進学したやつらに誘われた。
今年は断ったが、あまりにもしつこく、彼女がいると言った。
正確には偽彼女だと、心の中で呟きつつ。
そうしたら、その話はあっという間に広がった。
そんなに驚くことか、直接俺のところまで来たやつもいる。
こいつらが驚いたのは俺に彼女がいることではなく、彼女を理由に誘いを断ったこと。