華麗なる人生に暗雲があったりなかったり
おせっかい病
水野は広也といたと、電話がきた。
安心しながらも、怒りが沸き起こる。
広也がいないことを気にもかけなかった。
あいつらの仲の良さも考えものだ。
だが、広也と話しただけ進歩だ。
昨日の夜から上原たちとも一言二言の会話しかしていなかったのだから。
広也と話して何が変わるわけでもないけど、進歩だ。
そう思っていた。
だが、それは大きな間違いだった。
広也の影響力は凄まじかったのだ。
部屋に戻り、広也を待った。
迷惑をかけられたんだ、怒る権利はある。
眠気はすっかり覚めていた。
そっとドアを開けた広也を玄関で一発蹴り飛ばした。
「ご、ごめん。お、怒るなよ!俺を叱ると、小春ちゃんに怒られるぞ!」
玄関に尻餅をつきながら、目を潤ませて訴える。
やっぱり広也も馬鹿だ。
逆効果だろ。
広也を引きずり、居間に移動して畳の上に転がした。
俺の睨みに萎縮して、そのまま布団に逃げ込む。
「おい。お前、そのまま寝かせるとでも思ってるのか?」
「な、なんか、そのセリフ気味が悪いぞ!」
「広也……お前、命がいらないと思っていいか?」
低く唸りながら、布団の前に仁王立ちする。