俺が虜にしてやるよ。
~マリアside~

「・・・んっ、」  

頭が痛い・・・。 

私、どうしたんだっけ・・・?

私は、ありったけの力を使ってまぶたを開けた。

ぼんやりとした視界の中、見覚えのある金髪が見えた。

ノアと・・・。西園寺さん?

「おい・・・。マリア。」

どすの聞いた声がする。

私は、ぼんやりとした視界で、その端正な顔立ちを見つめた。

「ノ、ア」 

「お前・・・。なぜ俺に言わなかった?」

普段は無表情なノアの顔は、心なしか怒っているように見えた。

「・・・別に大丈夫だし。ほっといてくれてよかったのに」 

「何馬鹿なことおっしゃるんですの!?」

遠くの方から西園寺さんの声が聞こえた。

「西園寺さんまで、巻き込みたく、ない・・・」

私は、必死で言葉を紡ぐが、切れ切れになってしまう。

ダンッ!!!

大きな音が聞こえた。

「ちょ、アンブロワーズさん!?壊さないでいただきたいのですが!?」 

慌てたような西園寺さんの声。


「ノア、やめて、、、」

「何がやめて、だ」

低い声でノアがつぶやいた。


「私は、ただ・・・、友達が欲しかったの・・・」


熱のせいか、涙腺が弱まり、涙があふれた。


「聖さん・・・」







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