俺が虜にしてやるよ。

何なのこの人!

翌日。お父さんとお母さんの出発の日。

そして、ノア様?と対面の日。



「ノア様、ようこそおいでになられました。どうぞごゆっくりしていってください。」

お母さんとお父さんが挨拶している。

現れたのは、金髪碧眼の美男子!?

す、凄い・・・。これがイケメンというものなのか・・・。

「それじゃ、私達もう行くから。」
「行ってらっしゃい~」

キイィー、パタン。

扉が閉まり、私達は二人きりになった。

「・・・。えっと」
「・・・お前、誰」

イラッ。開口一番が、それ!?何なの!?

私は、しかめっ面のまま、取り敢えず挨拶した。

「私は、聖財閥の、聖 真理亜!よろしくね、ノア!」

「俺はアンブロワーズ財閥のノアだ。よろしくな、真理亜」

ノアは、ニタっと、妖艶な笑みを浮かべた。



「と、とりあえず、リビングルーム行こう」
私が案内すると、素直についてきた。


ほんと、何なのこいつ。お父さんとお母さんの
前でも無言だったし、開口一番が「お前誰?」っておかしいでしょ、どうみても!常識外。ありえませーん。


「そこに座って」

私は、ノアを向かいのソファに座らせた。


気をきかせたメイドさんが、お茶とお菓子を運んできてくれた。2人でありがたくいただく。


「んで、お前、なんでこの家にいるわけ?」

「元々私の家だっつーの!!!」

私はイラッとして言い返した。


「この家に住むのは俺1人だと聞いたぞ」

「私がお父さん達にお願いしたの!」

「ほーぉ。そんなに俺と住みたかったのか?」

くつくつと笑うノア。

絶対からかってる・・・!そんなことあるわけないのに・・・。

「こっちは、アンタの存在昨日知ったのよ!」


ほんとムッカつく!!
初対面なのに!!!


「ふーーーん。オメー、おもしれぇな」


「何が面白いよ!こっちはいい迷惑よ!」

思いっきり睨んでやった。

「迷惑?俺が居るだけで、女は喜ぶものだと思ってたが??違うのか?」

「はぁ!?そんな事あるわけないじゃない!!第一、あんたなんかに興味ないから!顔はいいけど、性格最悪だよ!!」


「ふっ」



え?なに、アイツ。笑ってる・・・?

「あはははっ!お前、おもしれぇ!・・・気に入った」


「はぁ!?あんた、何言って・・・うっうわあ!?」

いきなり、ソファに押し倒された。

「んっ・・・!」

唇に何か感触が・・・。え、これって、もしかして・・・!?

「んっ・・・やっ、やめっ・・・」


やっと、ノアが唇を離した。


そして、耳元でこう囁いたんだ。

「・・・お前のこと、手に入れたくなった。」


「・・・。え?どういうこと・・・」

その瞬間、耳を甘噛みされる。
「ひゃぁっ!!」

あっという間に全身の力がぬけた。
頬が熱い。
何なのこいつ・・・!


ノアは、耳元で再び囁いた。


『お前を、俺の虜にしてやるよ・・・』
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