俺が虜にしてやるよ。
ガラガラっ・・・
ドアが開く音がする。
「ノア・・・誰にも、言わないで・・・」
私は懇願した。
情けをかけられたくなかった。
また、酷い目に会いたくなかった。
フランスに、大人しく帰ればよかっんだ。
「俺の勝手だ」
今日のノアは、いつもに増して冷たい。
「お前など知らん」
ピシャン・・・・
「ノア・・・」
部屋に沈黙が訪れた。
「怒ってしまわれましたね・・・」
「西園寺さん・・・助けてくれて、ありがとうね」
「礼には及びませんわ。当たり前のことですの」
西園寺さんは、優しい。でも、本当は私のことをどう思っているのか、怖い。
「体調は、どうですの?すこし楽になりまして?」
「ありがとう、もう平気・・・」
私は、授業に戻ろうと身を起こした。
「まだダメよ!!また倒れるわよ!?」
「・・・西園寺、さん?」
「あっ、・・・申し訳ありませんわ・・・。聖さんといますと、落ち着いてしまって・・・。」
照れ臭そうにはにかむ西園寺さん。
「ほら、聖さん、ちゃんと休みましょう」
「あのっ、」
私は、思い切って声をかけた。
「私と、お友達に・・・なってくれませんか?」
目を見開く西園寺さん。
「・・・私で、いいんですの?」