俺が虜にしてやるよ。
ノアside


「うわぁー、ここか。・・・でけえな。」
俺は今、今日から暮らすことになっている聖財閥の邸宅に来ている。


アンブロワーズ財閥は、聖財閥と相当仲が良いらしく、この屋敷の管理を頼まれたのだ。

それにしても、でかい家。

俺の家もかなりデカイが、ここの家は俺の家など比にもならない。

ガチャッ・・・

ドアが開き、中から聖さんが出てきた。
「ノア様、ようこそおいでになられました。どうぞごゆっくりしていってください。」

俺は軽く頷くと、屋敷の中へ足を踏み入れた。

「それじゃあ、私達、もう行くわね~」
聖さんが、屋敷の中に向かって声を投げかける。誰かいるのか・・・?

視線を移すと、そこには・・・

とんでもない美少女がいた。

・・・は?俺そんなの聞いてないんだけど。

ソイツは、艶やかに煌めくブロンドヘアーを背中に流し、
大きな瞳は不安そうに見開いている。
整った鼻筋に小さな唇。


誰もが守ってあげたいと思えるような、そんな風貌をしていた。

「・・・。えっと」
「・・・お前、誰」

明らかに向こうがイラッとしたのがわかった。

ソイツは、しかめっ面のまま続ける。

「私は、聖財閥の、聖 真理亜!よろしくね、ノア!」

・・・偉そう。
ってか、なんで俺の名前知ってんだよ。
可愛い顔が台無しだ。


・・・面白え。



『ふーーーん。オメー、おもしれぇな』


とからかえば、

『何が面白いよ!こっちはいい迷惑よ!』

と、思いっきり睨まれ、


『迷惑?俺が居るだけで、女は喜ぶものだと思ってたが??違うのか?』

と言えば、

『はぁ!?そんな事あるわけないじゃない!!第一、あんたなんかに興味ないから!顔はいいけど、性格最悪だよ!!』

と大声で叫ばれた。



落としたくなるじゃねーか。


・・・そんな口、聞けねーようにしてやる。

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