俺が虜にしてやるよ。
「おい、マリア。お前どこに行こうとしてるんだ」

がしっ。

ノアが、私の手を掴んだ。

(いやいやいやいや。まずいって!!!やめよう!頼むから!!!)

「なにあの女・・・!!ちょっとくらい可愛いからって・・・!」

ヤバイ。これは、そうとうヤバイ。

「おーーーい、君達!!!何をやっているんだ!早く中に入りなさい!!」

中年の、お世辞にも髪の毛が生えているとは言えない先生が出てきた。

「えー、なにあいつ~」
「ハゲじゃん」

ブツブツ文句をいいながら引き返す皆さん。

ハゲ・・・もとい、この学校の学園長先生であるこの先生は、私のお父さんと知り合いなんだって。

「ノア様、マリア様、ようこそおいでくださいました・・・。どうぞ、お入りください」

「あの・・・、1つよろしいですか?」

「はい?なんでしょうか・・・?」

ノア、そして学園長先生が不思議そうな顔で私を見ている。

「私を、普通の生徒として見ていただけないでしょうか?」

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