ピュア・ラブ
沖縄から帰ると、ポストにはいい気分を一気に下げる手紙が入っていた。
綺麗とは言えない字で書いてあった。母親だ。
沖縄から帰ったばかりだと言うのに、嫌な現実を見せられる。
葬儀は終わったと書いてあり、私に対する謝罪の言葉が書いてあった。悪魔にも良心が少しはあったようだ。だがもう遅い。あれだけのことで終っていることを感謝してもらいたい。
産まれてから今まで、どんな思いをしてきたかなど、同じ年月を貰わないと語れない。
父親は心筋梗塞だったそうだ。あれだけ酒を飲み、激高する様からして、頭か、心臓にどちらかだろうと思っていた。
そして、もう来ないとも書いてあった。当たり前だ。許すという言葉は私にはないのだから。
「こんなことをしていられないわ。モモを迎えに行かなくちゃ」
手紙をびりびりに破き、ゴミ箱に投げ込む。
病院が空いている時間に戻ってきた私は、急いでモモを迎えに行く。
たったの二泊三日だったけれど、寒さが体に堪える。
コートにマフラー手袋をつけて、病院に向かった。
「そうだ……」
一旦靴を履き、出ようとしたが、ある忘れ物があったと気が付く。
帰りに駅で小さな花束を買ったのだ。レオにと。
ほんの少しの時間だったけれど、あの綺麗な黒い毛と、花の座布団の中心に寝ているかわいい姿の光景が思い出される。
お父さん先生はいないだろうが、橘君の後任で来た先生がいる。その先生に渡して貰えばいい。
キッチンに置いてあった花束を持つと、また靴を履いて、アパートを出た。
綺麗とは言えない字で書いてあった。母親だ。
沖縄から帰ったばかりだと言うのに、嫌な現実を見せられる。
葬儀は終わったと書いてあり、私に対する謝罪の言葉が書いてあった。悪魔にも良心が少しはあったようだ。だがもう遅い。あれだけのことで終っていることを感謝してもらいたい。
産まれてから今まで、どんな思いをしてきたかなど、同じ年月を貰わないと語れない。
父親は心筋梗塞だったそうだ。あれだけ酒を飲み、激高する様からして、頭か、心臓にどちらかだろうと思っていた。
そして、もう来ないとも書いてあった。当たり前だ。許すという言葉は私にはないのだから。
「こんなことをしていられないわ。モモを迎えに行かなくちゃ」
手紙をびりびりに破き、ゴミ箱に投げ込む。
病院が空いている時間に戻ってきた私は、急いでモモを迎えに行く。
たったの二泊三日だったけれど、寒さが体に堪える。
コートにマフラー手袋をつけて、病院に向かった。
「そうだ……」
一旦靴を履き、出ようとしたが、ある忘れ物があったと気が付く。
帰りに駅で小さな花束を買ったのだ。レオにと。
ほんの少しの時間だったけれど、あの綺麗な黒い毛と、花の座布団の中心に寝ているかわいい姿の光景が思い出される。
お父さん先生はいないだろうが、橘君の後任で来た先生がいる。その先生に渡して貰えばいい。
キッチンに置いてあった花束を持つと、また靴を履いて、アパートを出た。