ピュア・ラブ
「ちょっと冷やそうか」
びっくりした。下を向いていた私は、顔に影が出来たと思ったら、額に橘君の手が当てられていたのだ。
身体が硬直する。
橘君はまた冷蔵庫を開けると、「タオルは……」と言いながら、台所の引き出しを開けたり閉めたりして、何かを探していた。
タオルと言っていたから、きっとそれを探しているのだろう。
「はい、これを首筋にあてて」
デザートを買うと、一緒に入れてくれる小さな保冷剤だった。
布巾にくるまれ冷たすぎず、ちょうど良かった。
私は、言われるがままそれを首筋にあてる。
ひんやりとして気持ちがいい。凄く居心地が悪いけれど、あのまま無理して帰っていたら、ふら付いて自転車で転んでしまっていたかもしれない。
私は、昨日のことを思い出していた。
職場に、体調不良で休む電話を入れることさえしたくない私は、体調管理だけは徹底していた。
休みでも同じ時間に起き、食事の時間、バランスと常に管理をしていた。
でもモモがくると思うと、ついネットを見て、子猫の情報を集め、勉強してしまい、夜更かしをしてしまったのだ。それがいけなかった。
しかし、こうして管理し過ぎるのも良くないことなのかも知れない。少し体をぐうたらにさせることも必要なことなのだ。
私は、首筋にあてた保冷剤を左右の首筋に交互に当てながら、目を閉じていた。
橘君が向かいに座っていることは分かっていたが、他の人の気配が感じられない。お父さん先生は診察中だろう、でもお母さんとか兄妹はいないのだろうか。
もし、家の中に居るのならば、厄介だ。
びっくりした。下を向いていた私は、顔に影が出来たと思ったら、額に橘君の手が当てられていたのだ。
身体が硬直する。
橘君はまた冷蔵庫を開けると、「タオルは……」と言いながら、台所の引き出しを開けたり閉めたりして、何かを探していた。
タオルと言っていたから、きっとそれを探しているのだろう。
「はい、これを首筋にあてて」
デザートを買うと、一緒に入れてくれる小さな保冷剤だった。
布巾にくるまれ冷たすぎず、ちょうど良かった。
私は、言われるがままそれを首筋にあてる。
ひんやりとして気持ちがいい。凄く居心地が悪いけれど、あのまま無理して帰っていたら、ふら付いて自転車で転んでしまっていたかもしれない。
私は、昨日のことを思い出していた。
職場に、体調不良で休む電話を入れることさえしたくない私は、体調管理だけは徹底していた。
休みでも同じ時間に起き、食事の時間、バランスと常に管理をしていた。
でもモモがくると思うと、ついネットを見て、子猫の情報を集め、勉強してしまい、夜更かしをしてしまったのだ。それがいけなかった。
しかし、こうして管理し過ぎるのも良くないことなのかも知れない。少し体をぐうたらにさせることも必要なことなのだ。
私は、首筋にあてた保冷剤を左右の首筋に交互に当てながら、目を閉じていた。
橘君が向かいに座っていることは分かっていたが、他の人の気配が感じられない。お父さん先生は診察中だろう、でもお母さんとか兄妹はいないのだろうか。
もし、家の中に居るのならば、厄介だ。