ピュア・ラブ
5
週末。私は、駅ビルに入っている家電量販店に来ていた。
可愛いモモの成長記録を作りたかった。
私は、一人でなんでもしてきた。勉強して、努力をすればなんでも出来る。そう思っていたが、この電化製品だけは苦手から克服できないでいた。
大学に入学すると同時に悪魔の屋敷を出た。
持って出るものなど何もなく、高校三年間で貯めたお金と、バイトで買った物だけを持って出た。
どうせ出る時に、「買ってやったものは置いて行け」と厄病神一号と二号が言うに決まっていた。
大学に近い安アパートを見つけ、生活の為にバイトを頑張った。勉強は楽しくもなかったが、私がこれから生きていくために必要な知識だ、懸命に勉強をした。
高校三年間で貯めたお金では、敷金と礼金を払うのがやっとだった。金食い虫たちが、私のお金を当てにして、給料日になると、金を要求したのだ。もっと貯まってもいい筈だった。しかし、卒業する時には、家を出るだけで精一杯の金額しか通帳に残っていなかった。
リサイクルショップで当面必要な家電を買い、何とかしのいだ。
バイトをしてまず買ったのは冷蔵庫とテレビだった。
配達と設置をお願いする。
テレビを観ることが出来たのは、半日経った時だった。
その時に苦手だと認識した。
それからは、全て専門に任せた。
デジカメの前に行くと、いろいろな機種があり、迷った。店員に話しかけて貰いたくないが、全く分からない。勇気を出して、店員に声をかけようか迷う。
まだ小さく、怪我をしているモモを残してきている。こうして無駄に時間を掛ければ、寂しい思いをさせてしまう。
ここは、モモの為に、声をかけることにする。
「あの……」
「黒川、デジカメ買いに来たの? モモだね」
横にいたのは、店員ではなく、橘君だった。
望んでしたことではないが、私は、橘君とご近所様になってしまっている。
こうした場所で偶然会ってしまうのは、仕方のないことだ。
私は、素直に頷いた。
可愛いモモの成長記録を作りたかった。
私は、一人でなんでもしてきた。勉強して、努力をすればなんでも出来る。そう思っていたが、この電化製品だけは苦手から克服できないでいた。
大学に入学すると同時に悪魔の屋敷を出た。
持って出るものなど何もなく、高校三年間で貯めたお金と、バイトで買った物だけを持って出た。
どうせ出る時に、「買ってやったものは置いて行け」と厄病神一号と二号が言うに決まっていた。
大学に近い安アパートを見つけ、生活の為にバイトを頑張った。勉強は楽しくもなかったが、私がこれから生きていくために必要な知識だ、懸命に勉強をした。
高校三年間で貯めたお金では、敷金と礼金を払うのがやっとだった。金食い虫たちが、私のお金を当てにして、給料日になると、金を要求したのだ。もっと貯まってもいい筈だった。しかし、卒業する時には、家を出るだけで精一杯の金額しか通帳に残っていなかった。
リサイクルショップで当面必要な家電を買い、何とかしのいだ。
バイトをしてまず買ったのは冷蔵庫とテレビだった。
配達と設置をお願いする。
テレビを観ることが出来たのは、半日経った時だった。
その時に苦手だと認識した。
それからは、全て専門に任せた。
デジカメの前に行くと、いろいろな機種があり、迷った。店員に話しかけて貰いたくないが、全く分からない。勇気を出して、店員に声をかけようか迷う。
まだ小さく、怪我をしているモモを残してきている。こうして無駄に時間を掛ければ、寂しい思いをさせてしまう。
ここは、モモの為に、声をかけることにする。
「あの……」
「黒川、デジカメ買いに来たの? モモだね」
横にいたのは、店員ではなく、橘君だった。
望んでしたことではないが、私は、橘君とご近所様になってしまっている。
こうした場所で偶然会ってしまうのは、仕方のないことだ。
私は、素直に頷いた。