ピュア・ラブ
「さて、DVDを借りて、スーパーに寄って、帰えろっと」

週末は出かけたり、家でごろごろしていたりと気分次第だ。友達も必要ない私は、時間を有意義に自分のしたいように過ごすことができる。
本を読むのは好きだ。いつもバッグに入れている。もっぱら図書館を利用するが、人気の本はなかなか順番が回ってこないのが、難点だ。
荷物を増やさないように生活をしているが、どうしても好きなコミックを買ってしまう。新刊で買いたいところだが、財布事情と処分する時の感情を考え、中古本を買っている。
洋服だって、一枚買えば、一枚処分。収納ケースなどは増やせばまた物が増えるという悪循環を生むため、それも買わない。
アパートは女の一人暮らしにしてはとても質素だ。

「あー疲れた」

全ての用事を済ませ、やっと帰路に着く。
自転車に乗り込み、アパートへ向かう。
アパートに着くと、自転車置き場に自分の自転車を置くと、近くから、猫のかすかな鳴き声が聞こえた。瀕死のようなか細い泣き声だった。

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