ピュア・ラブ
「ちょっと、出てくる。すぐに戻ってくるから、鍵は閉めないで」
「はい」
何か忘れ物だろうか。
本当に大失敗だ。気を抜いていた罰だ。具合が悪いとは、こんなにも人恋しくなる物なのか。初めて知った。
出て行く橘君を見て、私は、不覚にも傍にいて欲しいと思ってしまった。
ゲージにカラーが当たり、カタカタと音がする。
「モモ、痛かった? ごめんね、迎えに行けなくて」
モモは、賢い猫だ。私はすっかり親ばかになっている。
名前は直ぐに覚え、ご飯の場所、トイレもすぐに覚えた。
仕事以外で外出する時は、ゲージには入れず、自由にさせていたが、私が帰って来るのが分かるらしく、玄関を開けると、座って待っていた。
初めて迎えてくれた時は、飛び上がる程嬉しく、抱きしめた。
抱っこひもを作った時よりも重くなったが、モモはその中に入るのが好きだった。
モモを抱っこすることによって私は、肩こりが酷くなった。
ドアを開けても外に出ることもない。
狭いアパートで窮屈ではないかと、不安になる。
もう少ししたら、大きな家を買おう。
大きいと言っても、私と、モモが、幸せで暮らせるくらいの大きさで構わない。
その為に頑張る。何かの為に頑張るなんて今までになかった。
モモは私の生きる全てだ。
「モモ、すぐに良くなるから、待ってて」
不快そうにしながらも、モモは、ゲージで丸くなった。
「はい」
何か忘れ物だろうか。
本当に大失敗だ。気を抜いていた罰だ。具合が悪いとは、こんなにも人恋しくなる物なのか。初めて知った。
出て行く橘君を見て、私は、不覚にも傍にいて欲しいと思ってしまった。
ゲージにカラーが当たり、カタカタと音がする。
「モモ、痛かった? ごめんね、迎えに行けなくて」
モモは、賢い猫だ。私はすっかり親ばかになっている。
名前は直ぐに覚え、ご飯の場所、トイレもすぐに覚えた。
仕事以外で外出する時は、ゲージには入れず、自由にさせていたが、私が帰って来るのが分かるらしく、玄関を開けると、座って待っていた。
初めて迎えてくれた時は、飛び上がる程嬉しく、抱きしめた。
抱っこひもを作った時よりも重くなったが、モモはその中に入るのが好きだった。
モモを抱っこすることによって私は、肩こりが酷くなった。
ドアを開けても外に出ることもない。
狭いアパートで窮屈ではないかと、不安になる。
もう少ししたら、大きな家を買おう。
大きいと言っても、私と、モモが、幸せで暮らせるくらいの大きさで構わない。
その為に頑張る。何かの為に頑張るなんて今までになかった。
モモは私の生きる全てだ。
「モモ、すぐに良くなるから、待ってて」
不快そうにしながらも、モモは、ゲージで丸くなった。