∞1208∞
住人の女性が憤慨して、正義感を振りかざしわざわざ持ってきてくれた其れは
あたしをコテンパンにするには十分すぎた。


「…とりあえず……片付けるし、和義ごめんやけど今日はあたしやっぱりやめとくわ。」

「……うん。
コウヤは連れて行った方がいいよね。楽しみにしてるし。
あんたも一人になりたいでしょ…」

「あー、ありがと‥」



和義とコウヤとを遮るドアが閉まった瞬間
あたしは学生以来の三角座りで身を小さく纏めて泣いた。

ぐずぐずと情けない鼻音を隠そうとして
窒息しそうになりながら、


ぐずぐずぐずぐず泣いた。
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