∞1208∞



「此処、竹中知恵の部屋ですよね?」


「違うで」


「え゛?!あれ、おかしいな‥ちょっとスイマセン…」


なにやらカサカサと手紙を取り出し、凝視する。


「1206号室…あ゛っ
スイマセン此処1208号室でしたね…」

「ああ、1206は向かいやしね
それ、この目の前が1206号室やで」

「本当にスイマセン…」

「いーよいーよ。
ところで大丈夫?彼氏に酷い事されてへん?」

「…はい!!大丈夫です♪」



じゃあね、と軽く会釈して
少し違和感を感じながらドアを閉める。


嗚呼くそう。

敏感になりすぎか。



そういや、向かいの1206号室って
会った事無いな。

女子高生が訪ねてくるんだから
女子高生位の子が居るのか?
にしては家族の賑わいの無い家だな。
< 86 / 168 >

この作品をシェア

pagetop