あかとくろの間
「…は???」

水面がキラキラ光ってるせいか

輝の顔が少し色づいている。


「ちょ…ごめん。やっぱ学校行くわ」
「はぁ?!何言ってんの、今更…」
「無理無理、休むとか」
「…んじゃ、今日の夕方だね」


彼は何も言わなかった。
うつむいたまま彼は残酷な言葉を
唇から投げつけた。


「告白、忘れて」


一瞬、目の前が闇に包まれた。


「え、何急に?嘘だよね」
「嘘じゃねぇよ…」
「なんで急に??」
「俺じゃダメだ。まだまだダセエ」
「今に始まったことじゃないし!!」


私なんで、何ムキになってんの??

いつから、こんな好きになってたの??

どうして、好きでいてって言えないの??


    素直になれたんじゃぁなかったの??


「馬鹿輝…どっかいっちまえ」
「うん…。どっか行くよ」


行かないで
行かないで
行かないで

輝がくれた沢山の時間、行かないで。

そう、強く強く願った。
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