あかとくろの間
輝ならきっと待っててくれる。

だって優しいもん。

だって…待つって言ってたもん。


「…輝、いるんでしょう??」


そこの草むらで寝てるんでしょ?

「やっときた」って笑うんでしょ?

そして…すきだって言ってくれたら

あたしもう、離れるから。

幸せなままここから離れるから。


「…………」


静かな夜。

川は天の川みたい。

でも向こうに彦星はいない。

まだあたしの隣に立っている。

向こうに、渡って欲しいよ。

もう、あたしを

突き飛ばして、殴って、蹴って。

そしてもう会わずに゛さようなら″



「ねぇ。待つって言ったじゃん。
 でね、すきって言って??
 いいでしょ?輝ぅ…」


「…どこもいかねぇよな」

「…うぅ…ッ行…」

「行かないって約束して」

「…出来ない」


輝は急に立ち上がると

あたしの顔に小さな

痛みが走った。



「…殴ってごめん。でもなぁ
 離れろって言うのはお前が
 決めることじゃねぇよ?!
 離れるのも傍にいるのも
 決めるのは 俺達だ!!!」

「…俺『達』??」
「だってそうだろ??2人が今まで 
 一緒にいたのは、一緒にいたいって言う
 2人の気持ちが一緒だったからじゃん」

──一緒にいたい??
  そうだね、あたしは輝が好き。
  傍にいたいよ…ずっと、ずっと



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